Google翻訳の和→英の精度を上げるたった1つの方法

Google翻訳の和→英の精度を上げるたった1つの方法
Advertisement

たまには翻訳ブログらしい事をします。

Google翻訳の精度について

機械翻訳といえば、かつては利用者から

ギャグ扱いされていたのも昔の話。

特に外国語→和→外国語の再翻訳ネタは

今でも流行していますよね。

 

ところが2016年11月。

Googleが人間の脳のアルゴリズムを

参考にしたニューラルネットワークという

機械学習システムを導入してから、

Google翻訳については

翻訳精度が格段に向上しました。

 

その結果、世間で大変な話題となり、

特に翻訳関係に携わる人間からは

翻訳家という職業の終了を嘆かれたレベルでした。

試しに和→英→和をやってみましょう。

2016年11月よりGoogle翻訳の精度が大幅に改善されました。
From November 2016 the accuracy of Google translation has been greatly improved.

From November 2016 the accuracy of Google translation has been greatly improved.
2016年11月から、Google翻訳の精度が大幅に向上しました。

 

こいつぁすげえや。

しかし実際は、評価は半々ぐらい?

と、上記には言いつつも

実際は「全然良くなってない」「いまだにカオス」等等、

同じGoogle翻訳でも評価がばらついています。

何故か?

 

これはGoogle翻訳システムにとって

翻訳しやすい文章、しにくい文章というものがあるからです。

 

ということで、Google翻訳で

日本語→英語が正しく変換される

もっとも簡単な方法をたった1つ、お伝えします。

日本語と英語の違いについて理解しましょう

英語の授業で「SVO」という言葉を聞いたことはないでしょうか。

これは、英語の文章を構成する際に含まなければならない

言葉と、その順番です。それぞれ以下の意味となります。

 

S… 主語

V… 述語

O… 目的語

 

すなわち、I have a pen. であれば、

 

I… 主語 = S

have… 述語 = V

a pen… 目的語 = O

 

となります。

 

ここで大事なのは

英語というものは1つでもどれかが欠けると

文章が成立しない(しにくい)という性質を持つという事です。

 

例えば日本語で置き換えてみてください。

口語だと「ペンありますよ」と置き換えて言えますよね。

 

…皆さん、この言葉を読んだときに

様々なシチュエーションを瞬時に想像しませんでしたか?

“発言者がペンを持っている”だとか、

“机にペンが置いてあるのを示している”とか。

同じ発言なのに、その中に言葉上省略されてはいても

様々な情報が見え隠れしますよね?

 

このように、

日本語は言葉の省略に非常に長けた言語なのです。

 

ところが英語だとこうはいきません。

英語での「ペンありますよ」の文章が出てくるであろう

会話をご覧ください。

 

A: Does anyone have something to write?
「誰か書くもの持ってない?」

B: I have a pen.
「ペンありますよ」

 

A: Does anyone have something to write?

B: A pen is here.
「ペンありますよ」

 

…英文だけ見てみてください。

主語+述語+目的語が全部揃って、

且つ『I = 私』や『here = ここに』といった

情報が省略されていませんよね。

 

これが英語と日本語の大きな違いです。

省略されたワードを付け足す癖をつけよう

さて、それを踏まえた上で例題を出しましょう。

 

あなたはあるソフトウェアを使っているとき、

特定の操作すると必ずソフトウェアがフリーズする事を

発見し、その事をサポートに英文で伝えようとします。

しかし英語に自信がないのでGoogle翻訳を使い

翻訳された英文を送ることにしました。

 

するとあなたはこんな日本語を打つことになるでしょう。

バージョン情報画面を表示した後、
Xボタンで画面を閉じようとすると、
必ずフリーズし、強制終了されます。
どうしたら良いでしょうか?

すると、Google翻訳ではこのようになりました。

 

バージョン情報画面を表示した後、Xボタンで画面を閉じようとすると、必ずフリーズし、強制終了されます。どうしたら良いでしょうか?

If you attempt to close the screen with the X button after displaying the version information screen, it will always freeze and be forcibly terminated. What should I do?

 

If you attempt to close the screen with the X button after displaying the version information screen, it will always freeze and be forcibly terminated. What should I do?

バージョン情報画面を表示した後、Xボタンで画面を閉じると、画面は常にフリーズし強制終了されます。私は何をすべきか?

さすがGoogle先生、素晴らしい再翻訳だぁ…

 

しかし英文だけ見ると、英文読者は以下の事に首をかしげます。

If “you” attempt to close the screen…

⇒『”貴方”、という事はこのメールを送った人だけじゃなくて
自分にも当てはまる事なのか?つまり全ソフトウェア共通で
起きているかもしれないという事か…!?』

“it” will always freeze and…

⇒『それ…それって何だ?何がフリーズして強制終了するんだ?』

 

通じるし、サポートを送るのに不自由はなさそうですが

読者に予想をさせないといけない文章であり、

機械翻訳がなされたことが若干見える文章になっています。

 

そこで、私なら日本語にこう付け足してGoogle翻訳に投入します。

私がバージョン情報画面を表示した後、
Xボタンで画面を閉じようとすると、
ソフトウェアが必ずフリーズし、強制終了されます。
私はどう解決したら良いでしょうか?

 

するとこのような結果となりました。

 

私がバージョン情報画面を表示した後、Xボタンで画面を閉じようとすると、ソフトウェアが必ずフリーズし強制終了されます。私はどう解決したら良いでしょうか?

If I try to close the screen with the X button after displaying the version information screen, the software will always be frozen and forcibly terminated. How do I solve it?

 

If I try to close the screen with the X button after displaying the version information screen, the software will always be frozen and forcibly terminated. How do I solve it?

バージョン情報画面を表示してXボタンが押して画面を閉じると、ソフトウェアは常にフリーズし強制終了します。どうすれば解決できますか?

 

該当の箇所が修正されて、

なんだか再翻訳も英文的にもちょっといい感じになります。

 

このように、日本語の中に隠された

省略ワードをあえて付け加える事によって

日本語的な響きは変になれど、

英文にした時に固い文章に出来ます。

他にもテクニックはあります

駆け足でご紹介すると、

・句読点1回分程度の 1文の長さにする

・シンプルな類語(似た意味の言葉)に変える

受動態は避ける(主語が省略されやすいから)

この部分も意識してみるとより

英語読者にわかりやすく、かつ機械翻訳っぽくない

英文が簡単に作れてしまいます。

 

結局のところ、英語の文法を理解する事で

機械翻訳の向上にもつながるので、

いっそのこと勉強してしまっても良いかもしれません。

 

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

最近読んだのだとこれがオススメです。

受験英語じゃなく、アウトプットをするための

英語の文法を勉強できます。

 

会話もメールも 英語は3語で伝わります

ある程度の読む能力がある方は

こちらもオススメです。

これはシンプルに伝える事に特化した

内容になっています。丁寧な文章にならずとも、

要点を伝えるための英作文にばっちりです。

 

まとめ:省略された言葉を補おう

いかがでしょうか。

この結論は、私が社内で顧客⇔技術者間の

サポート翻訳をしていた際に至ったものです。

どこまで参考になるかはわかりませんが、

機会があればご活用いただけますと幸いです。

 

そして補足ですが、

Google翻訳は英⇒和の際、日本語にする際

逆に不必要な主語の省略が可能な

ほぼ唯一のフリーオンライン翻訳サービスです。

翻訳の際はまず第一に使っても良い、と

私は考えています。

Advertisement

雑記(英語関係)カテゴリの最新記事