iZotope Blogより『リバーブとは?』の記事を紹介。

iZotope Blogより『リバーブとは?』の記事を紹介。
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iZotopeにリバーブ・プラグインの大手、

Exponential Audioが入ったビッグニュースから

少し経って、iZotope Blogにリバーブに関する

ブログがあったので独自に紹介させて頂きます。

 

原文:

What Is Reverb? Exploring the Basics with Exponential Audio

『リバーブとは?Exponential Audioを使った探求』

筆者:

iZotope Product Specialist / Geoff Manchester

 

以下、文章をこのように表現します。

記号なし(黒文字) … 記事の要約

記号なし(青文字) … 個人意見や訳注

『 』… 翻訳

 

なお今回はリバーブに関係する

サウンドサンプルがすごく多いので

非英語ユーザーでここを読んでくれている方は

ここである程度情報収集をしたら

上のアドレスから本サイトに飛ぶことを

強くお勧めいたします。

 

概要

Reverb is a series of many closely-spaced sound reflections—a ton of them—that we hear as a continuous sound.

『リバーブとは連続音として聴こえる多くの―それも膨大な―密集した音の反射が一連に並んだものです。』

この繰り返される音は

その部屋の空間の大きさや何の素材で

出来ているかといった物理特性に応じて

振幅、周波数成分、エンベロープに

違いが生まれます。

 

リバーブはどのような働きをするか

リバーブは音楽制作においても

ポストプロダクションにおいても

多くの働きをもたらします。

 

例えば音楽制作においては

個々のトラックにリバーブのエフェクトを

かけることで奥行や空間の感覚を与え、

違う環境下で録音された/作られたサウンドを

同じ空間で鳴っているようにする働きがあります。

 

映画やテレビ業界(ポスプロ政策)においては

ADR(後述)ミキシングと呼ばれるワークフローを

通じて、撮影後の映像に、後で録音した音声を

ブレンドするために使われます。

 

※訳注:ADRとは…

Automated Dialogue Replacement…

直訳で『自動台詞置き換え』、すなわちアフレコです。

詳しい情報はこちらを転載させてください。

 

DIGIZINE『映画やTVにおけるダイアログの置き換え

by Dane Davis

 

すなわち音楽制作と同じく、

違う環境下で録音した音…この場合、撮影ロケ地と

アフレコスタジオでの空間感覚を統合するのに

使われています。

 

ちなみに余談ですが。

空間の共有を行う手法はリバーブだけでなく、

他にもiZotopeにはRX 7という

ポストプロダクション向けのソフトウェアがあり、

各撮影箇所におけるノイズ情報を読み取って

それに応じて一方のノイズを増加/減少させる

とんでもなく便利な機能があったりします。

 

話を戻して。どのような場合においても

リバーブによりドライ信号を処理することで

あたかもコンサートホールだったり

階段だったり、あるいは非現実空間だったり…

様々な空間で録音されたかのようになるわけです。

 

公式ブログではすべてスネアの音の

サウンドサンプルを取り扱っています。

一度聴きに行きましょう。

Early Reflection

Early Reflection『アーリーリフレクション(初期反射)』。

音が反射して1度目にマイクやリスナーに

跳ね返ってくる音のことを指します。

これにより人間の耳は、その音の発生した

ポジションや、録音環境の空間の大きさを

判別するようになります。

 

例えば小さい部屋であれば音の反射が起きる

壁や地面は近く、大きい部屋であれば遠い、

といったところがアーリーリフレクションに

反映されるわけです。

 

公式ブログのサンプルでは、

ドライの音にホール・リバーブの

アーリーリフレクションだけを反映しています。

リバーブ成分やレイト・リフレクション(遅く鳴る反響音)が

なくても、空間の大きさが演出できている

ところが大きなミソでしょう。

ところで公式サイト、説明文の内容から考えて音源の並んでる順番が逆なんですが

 

Pre-Delay

Pre-Delay『プリ・ディレイ』

元の音からアーリーリフレクションが

発生するまでの時間のことです。

広い部屋だと接地面との距離の関係で

音が跳ね返ってくる時間は自然に長くなり、

プリディレイも長くなります。

 

公式ブログのサンプルでは、

ドライのスネアと各プリディレイ設定に

よるエコーの違いを表しています。

 

プリディレイを長くすればするほど

原音と残響の感覚が広くなり、

これによりクリエイティブな

リバーブ効果を生み出すことができます。

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Decay Time

Decay Time『ディケイ・タイム』。

リバーブタイムまたはRT60ともいいます。

これは、室内の音のレベルが

元のレベルより-60dBまで

抑えられるまでにかかる時間の事を指します。

 

あるいは『反射率』とも呼べるかもしれない。

 

例えば同じ素材の広い部屋、狭い部屋の

比較では広い部屋の方が音の跳ね返りに

かかる時間の関係で、ディケイタイムは

自然に長くなります。

 

コンクリートや木の壁の部屋と

カーペットや布が敷かれた部屋を比べれば

後者のほうが吸音率が良いです。

この場合、前者の方が

ディケイタイムは長くなります。

 

公式ブログのサンプルでは

ディケイタイムを変更した各サンプルを

並べています。

Damping

Damping『ダンピング』。

反響音における高周波数帯の吸収率です。

ダンピング値を高くすればするほど

高周波数帯の音の吸収率を上げます。

明るい音色のリバーブであれば

ダンピングは下げ気味で。

 

公式ブログのサンプルでは

ディケイタイム4秒のサンプルで

ダンピングなし/ありのものを並べています。

 

リバーブの種類

以降は、最近iZotopeに導入された

Exponential Audioのリバーブを使った

リバーブの種類の説明になります。

 

注意:

以降を読んでる最中に思ったのですが

たぶんブログの掲載者が、

サンプルの張り方を間違えている可能性高し。

 

ファイル名を見てDry→未処理、

Wet→リバーブ処理済と判断してください。

 

Hall(ホール)

コンサートホールの独特の物理特性の、

長く滑らかなディケイと広いスペースを

再現するリバーブです。

この他にも…

長い伝播時間、遅いリバーブピークや

強い低周波数による長波形のリバーブが

特徴です。

 

また、記載のPro Tipsによると、

Because of its long propagation time, a hall is seldom used on percussion instruments. The first ‘bounces’ of a strong transient are quite audible and are usually very distracting.  A plate or chamber reverb is more suited for percussion sound sources.

『伝播時間が長いため、ホールリバーブがパーカッションに使われることはごく稀です。強いトランジェント(音の立ち上がり)の初めの”バウンス”が、非常に大きく聞こえることで、人間の耳に不自然に聞こえがちな(とても気が散りやすい)ためです。パーカッションの音源にはプレートやチャンバーのリバーブが適しています。』

公式ブログで掲載されているのは

ホールリバーブを使った、

ピアノのサンプルです。

 

Chamber(チェンバー)

チャンバーかチェンバーか…どっちだ?

ともあれこのChamberとは、

スピーカーとマイクを設置して

音を鳴らしてリバーブを

録音するための『部屋』の事を指します。

公式ブログで掲載されているのは

ボーカルのサンプルです。

 

Plate(プレート)

振動する金属『プレート』から生じるリバーブ。

歴史上存在する実際のプレートリバーブは

エンクロージャ(仕切られたスペース)に

大きな金属板を吊り下げて、そこにつけられた

トランスデューサーと呼ばれる、

1台以上の小型マイクとドライバの組み合わぜで

反響音を拾って電気信号化します。

プレートの大きさやトランスデューサーの

距離でディケイ時間が変わります。

 

訳注:

1957年の世界初プレートリバーブとして

Elektro Mess Technik社の

EMT140が有名で、これをシミュレートした

リバーブプラグインも存在します。

紹介記事を転載。→SITE2913

 

結論

リバーブには多くの調整箇所があり、

種類や設定の組み合わせは無限です。

Exponential Audioのリバーブを使えば

モノラル、ステレオはもちろん

5.1からなんと22.2チャンネルの

サラウンド音源のリバーブに対応するので

色々試して、その時その時の自分の

ニーズに合わせたリバーブを作れるように

しましょう…とのことでした。

個人的あとがき

リバーブの導入知識的な記事でしたが

改めて勉強の機会になりました。

とても一般的なプラグインなだけに、

逆に触るべきポイントを見失いがちな

ものの一つではないでしょうか。

 

さてiZotopeもとうとうリバーブを導入。

そのイントロプライスとして

iZotopeユーザー向けには

ステレオ用リバーブバンドルが、

そうでない人にも様々なリバーブや

他のプラグインがセールで販売されています。

 

リバーブは5月9日までのセールです。

 

そして訳注で記載した

ポストプロダクション用ソフトウェアの

RX 7では上述のノイズ情報解析や

除去、ブレンドまで対応しています。

これも絶賛セール中!

 

この機会にiZotopeユーザー、

もといアイゾトピアンデビューを

してみてはいかがでしょうか。

 

リバーブプラグインの

Exponential Audioのプラグインリストは

こちらから。

 

ちなみにiZotope RX 7は…

公式サイトならクロスグレードや

バンドル販売を対応中…こちらから。

 

以下は通常版(セール価格)に対応。

Amazonから購入

サウンドハウスから購入

 

以上、ありがとうございました。

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